私の人形作りについて
人形を作ることは幼い頃より興味を持っていました。初めて自分のために着せ替え人形を作った時のわくわく感をよく覚えています。そして初めて友人のためにそっくり人形を作ってプレゼントして喜んでもらえた時のことも。将来は誰かに人形を作る仕事がしたいと密かに思っていました。実際実行に移すのに、その時から40年近くも経ってしまったわけですが…。
最近では、亡くなった方の人形をよく頼まれます。しかし、死んだ人の人形なんて怖いと言う方もいます。でも、写真でその人を偲ぶのならば、立体である方がずっといいのではないかと考えるのです。コロボックルのように小さな人形になって傍にいて微笑みかけていてくれたならと。その小さな手を握り、胸に抱くことが出来たならと。そうしているうちにいつしか悲しみは和らいでいくのだろうと、そう思うのです。
人形は可愛らしいものであるのがベストだと思っています。その人形に自分の感情を映すものでもなく、その人形から何かを感じ取らせるものでもなく、ただただ単純に人の心をほっこりさせる、思わず笑顔で見つめてしまうような、抱きしめたくなるような、そんな人形を作っていきたいと考えています。
福田裕子